ワールドトレードセンターから奇跡的に生還した人のお話
たぶん、日本では911のことを大げさに扱った特集番組がいろいろ放送されたことと思うけど、
ここ香港では、ニュースで時折伝えられるぐらいで静かに過ぎていきました。
ゆうべ、一つだけ911に関する番組をやっていて見ていたのですが、
あの事件が起きたときにエレベーターに乗っていて、閉じ込められた人を取り上げて、
その人たちの話と、再現フィルムを交えてたんたんと1時間が過ぎていきました。
私も香港に来てすぐに、エレベーターに30分ぐらい閉じ込められた経験があるのですが、
もう死ぬんじゃないかとか、要らぬことばかり考えて気が狂いそうになりました。
ですから、あの高層ビル内でのことなので、精神的な苦痛はすごかったと思います。
しかし、外で何が起きているのかわからなかったのが、恐怖心を増幅せず良かったのかもしれません。
エレベーターのパネルを無理やりはずした先は石膏の壁で、
たまたま乗っていた窓拭きの青年が、スクレイパー(最後に水を切るへらみたいなの)のゴム部分をはずして、金具だけにして四角の形に石膏を削っていたのですが、手を怪我するまで続けたので、あやまって金具をエレベーターと壁の隙間に落としてしまいます。
でもスクレイパーの取っ手部分があったので、それで削りつづけ、石膏をぶち抜くのですが、その先はタイルの壁でした。
そこを皆で蹴破った先はトイレで、エレベーターに乗っていた3人は無事助かったのです。
その時、すでにエレベーターの中は煙で充満していました。
もし窓拭きの青年がいなければ、彼らは今ごろ生きてはいません。
それから、ミルクを持っていたので、それで服やハンカチをぬらして煙を吸い込まないようにしたのも、良かったのかもしれません。
すごくたくさんの人が乗り合わせていた別のエレベーターは、やはり途中でとまり、ドアを開けることもできませんでした。その時、2機目の飛行機がビルにぶつかり、エレベーターのワイヤーが切断され、映画でよくあるように、すごい勢いで落下しました。
落下したとき、人の上に落ちた人は生存しており、誰かがラップトップを持っていて、その光でまわりを見ると、エレベーターは大破していて、亡くなった人もいっぱいいたそうです。
その時、光が入ってくる隙間を見つけ、無理やりそこをこじあけ、数人は無事脱出できました。
ビルが崩れ落ちる本当に少し前でした。
ある女性はやはりエレベーターに閉じ込められ、みなで無理やりドアを開けたところ、上階で何かが爆発して、火の玉が襲ってきました。火は一瞬にしてエレベーターの内部に入り、人々の上半身を撫でて、その後、また吸い込まれるように外に出て行ったそうです。
それで、大変なことが起きたことに気づき、皆で階段から脱出を果たしました。
同じビルにだんなさんも働いており、その時、だんなさんはまだ上階にいたことがわかっていたので、彼女は、もうだめだろうな。これで一人になってしまったと嘆き哀しみました。
2番目に崩れたビルのロビー階でたった一人で閉じ込められた男性がいました。
彼は、ドアが開かないので非常ベルを鳴らしましたが、コンピューターが応答するだけで、誰も助けには来てくれませんでした。隣のエレベーターにも人がいたのが途中でわかったのですが、そちらは先にドアを開け、隣に彼がいることを知りながら見捨てて逃げました。
上から水がおちてきたり、すごい数のほこりが落ちてきたので、彼は本当に恐怖にさいなまれていました。
ところが、一瞬電気が戻り、なぜかドアがすーっと開いたのです。
彼は、外に出ました。今まで見たことの無い静寂が待っていました。
誰もそこにはいなかったのです。
そして逃げました。その後すぐにビルが崩れたのです。
彼はこのビルで最後の生還者だったのです。最後に母親に電話して無事を伝えたときのことを話し終えた彼の目からスーッと涙が流れ落ちました。そこまで話すのには勇気がいったことでしょう。
話は、先ほどの女性に戻ります。
その後、だんなさんが、別の病院に収容されていることがわかりました。
だんなさんも別のエレベーターで下に向かっていたのです。
彼もまた、奥さんが亡くなったと信じて嘆き悲しんでいたのです。
お互いの生存がわかり、自分の世界が戻ったと言っていました。
本当にそうだと思います。
911で大事な家族や友人を亡くした人のことを思うと胸が痛みます。
今まで当たり前だった毎日が一瞬にして変わったのですから。
昨日のこの番組は、誰が悪いとか、そういう話は一切無しです。
奇跡的に逃げることができた人たちの話です。
何かが違っていたら、今ごろは犠牲者として名前を呼ばれていた人ばかりです。
毎日、こうして当たり前に幸せに暮らしている自分に感謝です。
こんなことを考えながら、今日もIFCのリフトに乗りました。
私は29階なので、階層にしてみれば低いと思います。それでも怖いですよ。
そんなことを思いながら、リフトに乗ってすぐ、リフト内に設置されたBroombergのテレビから、Japanese Prime Minister, Shinzo Abe is going to step downという言葉が聞こえてきました。
テロップにはresignの文字が…
本当にびっくりしますね。いきなりなんだもん。
日本はこれからどうなるんでしょうかね。
政権がなかなか安定しませんね。
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ここ香港では、ニュースで時折伝えられるぐらいで静かに過ぎていきました。
ゆうべ、一つだけ911に関する番組をやっていて見ていたのですが、
あの事件が起きたときにエレベーターに乗っていて、閉じ込められた人を取り上げて、
その人たちの話と、再現フィルムを交えてたんたんと1時間が過ぎていきました。
私も香港に来てすぐに、エレベーターに30分ぐらい閉じ込められた経験があるのですが、
もう死ぬんじゃないかとか、要らぬことばかり考えて気が狂いそうになりました。
ですから、あの高層ビル内でのことなので、精神的な苦痛はすごかったと思います。
しかし、外で何が起きているのかわからなかったのが、恐怖心を増幅せず良かったのかもしれません。
エレベーターのパネルを無理やりはずした先は石膏の壁で、
たまたま乗っていた窓拭きの青年が、スクレイパー(最後に水を切るへらみたいなの)のゴム部分をはずして、金具だけにして四角の形に石膏を削っていたのですが、手を怪我するまで続けたので、あやまって金具をエレベーターと壁の隙間に落としてしまいます。
でもスクレイパーの取っ手部分があったので、それで削りつづけ、石膏をぶち抜くのですが、その先はタイルの壁でした。
そこを皆で蹴破った先はトイレで、エレベーターに乗っていた3人は無事助かったのです。
その時、すでにエレベーターの中は煙で充満していました。
もし窓拭きの青年がいなければ、彼らは今ごろ生きてはいません。
それから、ミルクを持っていたので、それで服やハンカチをぬらして煙を吸い込まないようにしたのも、良かったのかもしれません。
すごくたくさんの人が乗り合わせていた別のエレベーターは、やはり途中でとまり、ドアを開けることもできませんでした。その時、2機目の飛行機がビルにぶつかり、エレベーターのワイヤーが切断され、映画でよくあるように、すごい勢いで落下しました。
落下したとき、人の上に落ちた人は生存しており、誰かがラップトップを持っていて、その光でまわりを見ると、エレベーターは大破していて、亡くなった人もいっぱいいたそうです。
その時、光が入ってくる隙間を見つけ、無理やりそこをこじあけ、数人は無事脱出できました。
ビルが崩れ落ちる本当に少し前でした。
ある女性はやはりエレベーターに閉じ込められ、みなで無理やりドアを開けたところ、上階で何かが爆発して、火の玉が襲ってきました。火は一瞬にしてエレベーターの内部に入り、人々の上半身を撫でて、その後、また吸い込まれるように外に出て行ったそうです。
それで、大変なことが起きたことに気づき、皆で階段から脱出を果たしました。
同じビルにだんなさんも働いており、その時、だんなさんはまだ上階にいたことがわかっていたので、彼女は、もうだめだろうな。これで一人になってしまったと嘆き哀しみました。
2番目に崩れたビルのロビー階でたった一人で閉じ込められた男性がいました。
彼は、ドアが開かないので非常ベルを鳴らしましたが、コンピューターが応答するだけで、誰も助けには来てくれませんでした。隣のエレベーターにも人がいたのが途中でわかったのですが、そちらは先にドアを開け、隣に彼がいることを知りながら見捨てて逃げました。
上から水がおちてきたり、すごい数のほこりが落ちてきたので、彼は本当に恐怖にさいなまれていました。
ところが、一瞬電気が戻り、なぜかドアがすーっと開いたのです。
彼は、外に出ました。今まで見たことの無い静寂が待っていました。
誰もそこにはいなかったのです。
そして逃げました。その後すぐにビルが崩れたのです。
彼はこのビルで最後の生還者だったのです。最後に母親に電話して無事を伝えたときのことを話し終えた彼の目からスーッと涙が流れ落ちました。そこまで話すのには勇気がいったことでしょう。
話は、先ほどの女性に戻ります。
その後、だんなさんが、別の病院に収容されていることがわかりました。
だんなさんも別のエレベーターで下に向かっていたのです。
彼もまた、奥さんが亡くなったと信じて嘆き悲しんでいたのです。
お互いの生存がわかり、自分の世界が戻ったと言っていました。
本当にそうだと思います。
911で大事な家族や友人を亡くした人のことを思うと胸が痛みます。
今まで当たり前だった毎日が一瞬にして変わったのですから。
昨日のこの番組は、誰が悪いとか、そういう話は一切無しです。
奇跡的に逃げることができた人たちの話です。
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by Junpei642
| 2007-09-12 22:44
| 日々のつぶやき(日記)
香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!
by Junpei64
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