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パッチギ!(2005)

去年 日本に帰ったときにワイドショーで井筒監督が出ていてこの映画のことを知った。
それから見たい見たいと思っていて、やっと今ごろになって見ることができた。

パッチギとは頭突きのこと。
私が若い頃は、パッチギはパチキと呼ばれていた。
「おまえなめとんのか、パチキかますぞ!」などと使われる。
関西では普通に流通していたように思うけど、関東や他のエリアではどうでしょうか?


在日朝鮮人と日本人との関わりをテーマにした一見重い内容だけれど、
ガラの悪い京都弁とけんかが映画のテンポをあげてくれるので、わりとおもしろく見ることができた。

朝鮮高校とサッカーの親善試合をしようと思い立った京都の高校
その親善大使を引き受けた高校生(こうちゃん)が、朝鮮高校で耳に入ってきたブラスバンド部の演奏にひきつけられる。そしてそこで出会った少女に一目ぼれする。

こうちゃんは、この時演奏されていた曲は(昔々放送中止になってレコードも発売中止になってしまった)フォーククルセイダースの「イムジン河」という曲だということを、何気なく立ち寄った楽器屋で知る。そしてそこで知り合ったお兄さん(オダジョーかっこいい)にギターを教えてもらう。

時代は1968年なのでまだ戦後まもないし、朝鮮戦争が終って南北が分断されてからはまだ日も浅い。だから祖国(北朝鮮)へ帰るというような今ではありえない言葉が朝鮮人の口からポンポン飛び出す。こうちゃんの高校の先生も毛語録をかざしているところが時代を物語っている。
朝鮮高校の生徒達はその多くが不良で地元の高校生とけんかが絶えない。
結構 流血ものでやくざ映画じみている。

ギターをはじめたこうちゃんは吹奏楽の彼女にフォークルのコンサートに行こうと誘う。でもその日は私のコンサートがあるからそっちにおいでと誘われてOKしてしまう。
それは祖国に帰る兄(アンソン)のための送別会で、参加したのはすべて朝鮮人ファミリーだった。
そこでこうちゃんは彼女と一緒にイムジン河を演奏する。ちなみに彼女はフルート

b0080418_1559467.jpg

それをきっかけにこうちゃんは彼女だけではなく、彼女の兄のアンソンやその友人たちとも親しくなっていく…

後半は結構重い内容で、特に彼女がこうちゃんにむかって、
「私とずっとつきあって、結婚ということになったとき あなた朝鮮人になれる?」と悲壮な顔をして言うシーンはどの日本人にとってもかなりずしんと来るのではないかな?

その後もいろいろあって、朝鮮と日本の間にある壁にぶちあたったこうちゃんはかなりショックを受ける。でもそれがあるからこそ、最後にイムジン河を歌うシーンは感動ものなんだよね。

いろいろ人によって感じ方は違うと思うけれどとても良い映画だと思う。

時代的には差がかなりあるが、朝鮮高校(私達はチョウ校と呼んでいた)のイメージは私達が高校生のころとなんらかわっておらず、実際チョウ校の生徒というのはそのほとんどが不良っぽかったので皆恐れていた。チョウ校の生徒に割り箸を半分に折ったものを鼻の穴に突っ込まれるというのは、いわば都市伝説として今でも語り継がれているかもしれない。
男の子はガクランなのでわかりにくいけれど、女の子は制服が制服だけにすぐそこの子だとわかったものだ。

朝鮮人がらみの思い出といえばいろいろある。
私が育った山間の町にはいくつかの小学校があって、そこからの生徒が一つの中学に集まってくる為、中学で初めていろんなエリアの子と交わることになる。私が通っていた小学校には朝鮮人と呼ばれる子がおらず、私は中学に入るまでそういう存在を知らなかった。
しかし、中学に入って同じクラスになった子に「あの子は朝鮮人やで」などと言われ、
わけもわからず、「外国人の子がおるんやな」と思っていたものだ。
しかし、「あの子は朝鮮人やで」という言葉の裏に差別があることをまもなく知る。

私が朝鮮人の存在を知ってからは、両親や祖母たちが「あのおっちゃんも朝鮮人やで」などと教えてくれるようになった。うちの山守を長いことしてくれていたおっちゃんもそうだった。
「みな、朝鮮の名前を使わないで日本名を名乗っているけど、金さんやったら金本さんなど名前を見たら朝鮮人とわかる人も多いねんで」と教えられた。
そうして見ると、結構近いところにいる人が朝鮮人だったりもした。
そして悲しいことに、その時すでに、朝鮮人=差別されている人ということが、
当たり前のように私の頭の中に入っていた。何の疑問も抱かずに…

それに、この日本名を名乗ることが彼らにとって民族を踏みにじらたと感じるほどつらいことだったなんて、子供のときの自分は考えもしなかった。
日帝36年の歴史も知らなかったからね。

今はこの時代に比べて日本と韓国、朝鮮の間にある壁は乗り越え易くなっていると思うけれど、
こんな時代もあったんだよと若い世代の人は知っておくのもいいんじゃないかな?

全体的には言葉遣いも汚いし暴力映画っぽいので、
最後にながれる同じくフォークルの「あの素晴らしい愛をもう一度」は、なんだかどん底から救ってくれるように感じる。その辺もうまいなと感じた。
by Junpei642 | 2006-08-14 16:25 | Movie Review


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


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