Identity Crisis!! ついに目覚めたか!

娘が日本に帰ってそろそろ1年になる。

無事大学にも合格、4月から再び大学生になったのだが、
ついについに、いつ気づくのだろうかと思っていたのだが、
アイデンティティークライシス Identity Crisisに見舞われているらしい。

母の日の夜に久しぶりにSkypeでチャットをしたのだった。

私はそうなることは彼女が日本に帰る前からある程度予想していたのだが、
当時の娘、というかそれまでの娘もずっとそうだったのだけれど、
6歳からずっと海外生活というのに、なぜか妙に日本人臭く、日本が大好きで、それはまあ日本人なのだから仕方ないとして、いつも望郷の念が強く、日本のものに惹かれ、日本の大衆文化につかりたい一心で、アニメオタク、ゲームオタク、Jpop好きみたいな、そんな子供だったのだ。

だから結局日本に帰って、日本人としてのアイデンティティー確立のため日本の大学に入って、
今 日本人になるためのトレーニング中らしい。大学にも留学生はいるけどあえて彼らに近づかないことで日本人になれると思っている。

ところが、ついにその殻が破られたというか、日本の社会に身を置いてみていかに自分は「異質」かというところに気づいたのだろう。

なぜその話になったのかと言うと、
東日本大震災以後の日本人のメンタリティーがまったく理解できないというところからはじまった。
不合理な自粛の意味がわからない。
不謹慎の意味がわからない。
不合理なことに疑問を抱かない周りの学生の本心がわからない。
まっ、そういうのは一つのきっかけにしかすぎないのだけど、
それについておかしいと唱えたところで、誰もわからない。

そして、いつでも自分の異質さ、例えば6歳から海外育ちで英語がNativeに近い状況にあること、
香港に住んでいたこと、カナダに住んでいたこと、何をするにしてもそのバックグラウンドを説明しなくちゃいけないこと、
しかし、日本人には彼女のバックグラウンドが「キャパシティーオーバーロード」(まま)でその状況そのものを受け入れてもらえないことも発生するということに気づいたのだ。
さっき香港と言ったのに3分後には韓国や台湾に変わってしまうことにいらだちを覚えているみたい。

そんなとき、前にも書いたけれど英語の時間はやることがないので、アシスタントとして他の学生を手伝っているのだが、先生がイギリス留学の経験があり、帰国子女やThird Culture Childrenの研究をしている人で、娘の状況をきちんと理解してくれて、それなりにサポートしてくださっているそう。
ある日、その研究内容の論文(英語)を読むように言われたらしい。

娘は日本人でありながら香港という中華圏で育ち、教育はBritishという「サードカルチャーキッズ」のど真ん中にいる人間なので、その論文を読んでみぐるみはがされたような気持ちになったみたい。
そこに出てくる人たちにシンパシーを感じ、悲しくなってきたと言っていた。

結局、島から出たことのないmono-cultural peopleには自分のことはわかってもらえない(論文にそう書いてあったらしい)という一文を見て、彼女もモノカルチャーな人という言葉を頻繁に使う。
そして論文に登場している人たちはmono-cultural peopleをいずれ見下すようになる。
娘もそれに共感できるそうだ。なんて悲しい。


あれだけ好きだったJpopもまったく聞かなくなり、今は英語の曲しか聞いていない。彼女はそう言った。
なぜなら、英語の曲を聞くことで自分は英語がわかる。英語の曲を理解できる。という自分を確認するために一番簡単な手段らしい。それを聞いてさらに悲しくなった私。

英語の時間も普通の英語なんて使わなくなった。と彼女は言う。
だって普通に話しても誰にも通じない。だから無理に日本語英語で説明する。

最後に、「結局いつか香港に戻ることになると思う。マルチカルチャーな場所で育った友達といるのが一番楽ということに気づいた。」と言ってた。いつもそういう人たちと一緒にいたから。

実はこの話をDaniにしてみた。Daniは私をナンパした坊や。アメリカに行ってしまったけどメールとチャットで今も仲良くしている。彼もやっかいな人間で、娘と同じIdentity Crisisに見舞われているので、娘の話をしてみた。話していると、「君の娘は僕とまったく同じだね。僕も自国(イギリス)に馴染めなくて苦しんでいるから。今度娘さんと話がしたいからメールくれるように言ってくれる?」だと
彼はイギリス人だけど東洋大好きっ子で特に日本にものすごくあこがれていて、日本の歴史なんかに妙に詳しい。そしてイギリスやその他欧米諸国がアジアにしてきたことに対して嫌悪感を持っているという変な人なのだ。
二人が話したらどんな話になるのか興味深いなあ。
まあ日本が大好き、日本を理解しているといいながら、私が話す日本のおかしさにまったくついてこれなかったから、いつか日本に行って自分の目で見て見ろ!と言っておいた。

どっちがいいとは言えない。と彼女は言ってた。
モノカルチャーな環境で育っていたらそれなりに幸せな人生があっただろうしね。
まっ、やっと気づいたかというのが私の今の感想。そのうち普通の日本人になれるかもしれないしね。



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by Junpei642 | 2011-05-10 19:00 | 英語の話


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


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