カテゴリ:Book Review( 70 )

「間宮兄弟」 江國香織

映画にもなったそうなので 有名な小説なのかな?
でもへんてこなお話しだった。

やせっぽちとでぶの兄弟が一緒に住んでいて、二人とも恋愛経験無しで、
インドアの遊びにふけっている、いわばオタク兄弟である。


兄の方は心で思うだけの恋が一番と思い、弟の方はほれやすく一応アタックするものの、
失恋して新幹線を見に行くことを繰り返している。

そんな兄弟が、レンタルビデオ屋の女の子と仲良くなるためにカレーパーティーをする。
ちょっと心配な恋愛中の直美は大学生、その妹夕美は天真爛漫な明るい高校生。
兄弟の年齢を考えるとちょっと年下すぎないか?
どちらもボーイフレンドがいる今どきの女の子だ。

そして学校で働く弟が招待した不倫中の小学生教師もパーティーに招待される。
家にやってきた教師が兄を見て「最悪」と思うぐらい、兄は見た目もぱっとしない男なのだ。

このお話し、明るい展開もなく、二人だけの暮らしに戻って終わっていく。

最後まで読み終えて感じたことは、こんな男、世の中にはいっぱいいるのでは?ってことだ。
男なんてみんながみんなかっこよくて女性の扱いがうまいなんてことはない。
香港で出会う既婚の男性だって、間宮兄弟のようなタイプの人はうじゃうじゃいる。
ただ、有名大学出身で、きちんとした企業に勤め、早めの出世が約束されていただけで、結婚相手に困らなかったという人は意外と多いものだ。

それに男って基本的な性格やタイプは置いといて、つきあう女性によって変われるものなんじゃないかな?
いい女に出会い、彼女が男の外見を変えていき、それにつられて内面も変わって行くこともあるだろう。
私の知り合いのイギリス人女性は年下の美容院オーナー(香港人)とつきあい、背も低いしぱっとしない外見だった彼が、どんどん変わっていくのをこの目で見たのだ。
イギリス人女性は、枕もとで、「あなたは世界一素敵、自信を持って」と何度もささやいたらしい。
英語が下手だった彼は英語もうまくなり、服装もガラッと変わった。
そして、いつしかイギリス人女性をふって、若い香港人の彼女ができた。
イギリス人女性は「彼を変えたのはあたし」と恋が終わっても満足そうだった。

現実の間宮君たちもいずれそんな女性に会えるといいね。

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by Junpei642 | 2008-01-22 19:21 | Book Review | Comments(5)

異邦人 パトリシア・コーンウェル

パトリシア・コーンウェルの最新作 猛スピードで読破した。

おなじみ、ケイ・スカペッターのシリーズである。
今回は、サウスカロライナにあるチャールストンという古い街を舞台に、
イタリアはローマを交えながら、検死官シリーズの初期にしょっちゅう見られたような
惨殺事件を、残されたクルーを最新テクノロジーを使って解明していくお話しだった。
だいたい日本語で読んでいても非常にややこしくしんどいのに、これを英語で読んでいたらたぶんギブアップしたに違いない。

しかし、この事件の犯人が誰なのかがわかった時は、「そんな アホな!」と思ってしまった。
一応、泳いでしまった伏線は今回は非常に少なく、欲求不満が溜まるということもなかったけど、犯人がつかまったときの状況、そのちょっと前あたりはもうちょっときちんと書いて欲しかった。

この人の小説って、登場人物の人間関係、その間にある憎悪、愛情というのが、いつもややこしいぐらい深くてしんどくなってくる。今回の作品はそのあたりが、全般にわたっていた分、よけい重苦しかった。
いつもならケイとベントン そこにマリーノのかわいそうすぎる恋心が絡むのと、
いつもいらだたせてくれるルーシーの態度とか、身内内にとどまっていたんだけどね。

しかし、マリーノはかわいそうすぎる。今までで一番かわいそうだ。
小説内にもあったけど、お互いもう少し気遣えればこんなことにはならなかったのにね。

マリーノのこともローズのこともいろいろ心配が募るこのお話し
次回はいつになるんだろうか?

完全に感情移入してしまっているな。

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by Junpei642 | 2008-01-11 13:57 | Book Review | Comments(6)

アイ アム レジェンド Richard Matheson

先日見た"I am legend"のストーリーにどうしても納得が行かなかったので日本に帰ってきてからハヤカワ文庫から出ている原作の新訳本を買ってみた。

思っていた通り、なぜそういうことになったのかが詳しく書かれており、地球にたった一人生き延びて、毎晩彼を挑発してくるバンパイアたちの声に悩まされながらストレスフルな生活を続けている主人公ネビルの心情がうまくかかれていた。

はっきり言って思っていたようなホラーシーンもほとんどなく、そのほとんどは彼の回想として書かれていた。
病気(吸血鬼病)を解明していくコンセプトもはっきりしていてとてもおもしろかった。

SFファンタジーというより、どちらかと言えば、地球最後の男としての苦悩を淡々と綴った、ある意味文学作品だと思う。

そして、結末は思いがけず予想とはぜんぜん違っていた。
もちろん"I am legend"の意味も映画とはぜんぜん違う。

この原作に忠実に映画を作っていたなら、ひょっとしてWill Smithもオスカーをねらえたのでは?とふと思った。
しかし、場所をLAからNYにかえたのは正解だったかな?

なんとなくLAにバンパイアは似合わないものね。

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by Junpei642 | 2008-01-05 11:39 | Book Review | Comments(2)

"Anego" 林真理子

林真理子の小説はほとんど読んだことがない。
つい半年ほど前、ちょっとブラックジョークっぽい男と女の怖さを書いた短編集を読んだぐらい。

さてこの"Anego"ですが、ドラマ化されたのでご存知の方も多いと思うけど、
ぞっとするような終わり方でした。

大都会で働くキャリアウーマンの暮らし振りってみんなこんな感じなのだろうか?
それとも小説の中だから?

大手老舗商社で一般職として勤める奈央子は、仕事もできるし美人だし、家柄も良いのに30過ぎても独身だ。
適当なセフレがおり、同じ会社に勤める年下のセフレもおり、一人暮らしを謳歌している。
それでも結婚願望は捨てられず、東大出の官僚とお見合いをしたりするが、いずれも幸せなゴールインは迎えられずもんもんとしている。

商社に就職した若い女性のほとんどは社内恋愛、社外恋愛で幸せな結婚をしていく。
商社マンと結婚したものは、その後主人について海外駐在に出て、海外のあちこちで幸せな結婚生活を満喫している。誰もがそういう未来像を持って大手の会社に就職するのだ。
そしてそれにあぶれたグループに奈央子は身をおいている。

小説の中の美しい女性は、海外ブランドのさりげないファッションを楽しみ、自分を磨くことに時間とお金を惜しまず、おいしいものを食べ、酒をよく飲む。それが当たり前のように書かれており、奈央子もその周りにいる女性もその類のかっこいい女性ばかりだ。
現実もそうなのかな?林真理子ってOLを美化して書く人なのかな?

私はそういう世界を知らないので、ある意味かっこよさにしらけてくることもあった。

奈央子はその後、同じ会社に勤めていた女性にハワイで再会し、彼女にしつこく相談をもちかけられ、そして彼女の夫と不倫関係をはじめてしまう。
不倫におぼれていく様子だけが、私にとってえらく現実的だった。
不倫なんて絶対にしないと言い切っていた奈央子が、あっという間に略奪愛を正当化していくところは、アホらしいけどわかるわかると思って読んだ。
そこだけが現実的で、他はしらけっぱなし。

実際、日本では結婚を考えない女性が増えているらしいけど、
奈良の田舎の話しで悪いけど、私の周りではみんな20代に結婚して、結婚から2~3年以内に子供を生んでいる。それが実は現実じゃないのかな?と思っている私は幸せなのか?

先日、香港の独身者総勢60名が集まってクリスマスパーティーをしたそうだけど、
その半分以上が女性だったんだって。
お金も時間もあって、好きなことをして生きていくというのもある意味楽しいかもよ~
毎日必死で働いて生きているおばさんはそう思うのでした。
結婚といってもいろんな形があるしね。いつまでもお金があって幸せが続く保証なんてないもんね。

この小説の結末みたいになるんだったら、私は迷わず一人を選ぶかな?


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by Junpei642 | 2007-12-26 15:27 | Book Review | Comments(8)

パンドラ・アイランド 大沢在昌

木曜日の夜に上下2冊借りて、金曜日の夜中に読み終えてしまうという、
めちゃくちゃおもしろかった本を紹介します。

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パンドラ・アイランド 大沢在昌

主人公は高須康彦 
元警官で捜査一課で刑事をしていた経験をもつ優秀な男である。
しかし、情に弱い性格で仕事を通して対面してきたいろんな人間関係に疲れ果て、
やはり同じ警官である妻とも別れ、のんびりするために小笠原のまだ先にある、
東京から船で28時間かかる同じ東京都下である青国島へやってきた。

青国島は架空の島であるけれど、戦後アメリカに占領されていて一番遅くに返還された島という設定である。

人口900人ほど、小笠原とは違い、観光に力を入れることなく南の島の自然をそのままにしてきたという経緯がある。しかし昨今増えてきた観光客から島を守るという名目で、警察の無いこの島に、警察の代わりに青国役場そのものが保安官を置いており、高須は保安官としてこの島に迎えられたのだった。

前任者 柴田が急死しており、彼の任期があと半年残っており高須も契約上では半年間のみの勤めとなっていた。

高須が着任した翌日、平和だったこの島である事件が起きる。
元漁師だった老人が海に落ち命を落としたのだ。

そこからこの物語は始まる。

保安官という立場で、警察と同じ仕事はできないが、元刑事の経験が次から次へとこの島の秘密を暴いていく。
高須自体が不思議に感じたことは、漁業と農業、そしてこじんまりとした観光業以外にたいした産業もないこの島の住民みんなが裕福なこと、島の住民をそのまま引きとめるために、公営の風俗産業が設置されていることだ。

島でたった一人の医者であるオットーは、占領時代にこの島に駐留していたアメリカ兵だった。
この男を通していろいろな秘密が明らかになっていく。
その秘密の一つは、昔、アメリカ兵がこの島でコカインのもととなるコカの栽培をしており、今もコカの群生がどこかに残っているのでは?ということだ。
それを目当てに、本土から移住してくる人もおり、島は彼らをよくは思っていない。
そのためにも保安官が必要とされるのである。

高須の保安官としての行動がすごくおもしろく、次はどうなるの次はどうなるの?という感じでどんどん読んでしまう。
一応分野的にはハードボイルドに属するそうだ。

自然いっぱいの小島のようすがかなり詳しく書かれており、目の前にその情景が広がる。
登場人物にも味があり、どんどんと引き込まれていく。
ただ、この島は東京から28時間もかかるということもあり、かなり閉鎖的な背景を背負っている。美しいイメージもあるけれど、その閉塞感もびんびん伝わってきて、よけいに緊張してくるのだ。

あまり集中して読んだものだから、途中で電話があったときは飛び上がった。
たぶんそれまで私は確かにその島にいたと思えるぐらいの集中力で、
時間を見たときもびっくりした。「えっ?もう10時?」

この著者の名前は聞いたことないんですが、
他にもおもしろいハードボイルド作品があるそうなので是非読んでみたいと思っている。

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by Junpei642 | 2007-11-17 17:15 | Book Review | Comments(4)

「半島を出よ」 村上龍

仕事で出入りしているお宅で、唐突に本をすすめられ借りてきて、
すごい勢いで読破しました。

村上龍の小説は「希望の国のエクソダス」以来久しぶりです。

北朝鮮の反乱軍と名乗る10人がいきなり福岡にやってきて、
あっという間に3万人の観客が入った福岡ドームを占拠してしまい、その2時間後に500人の後発隊が空路から日本に上陸してしまうという恐ろしいお話です。

経済的にどうにもならなくなり、日本円の価値が暴落して既に日本円は紙切れになっている時代で、頼りにしていたアメリカからも見放され、失業者があふれ、ホームレスがあふれているているのでした。
出だしはかなり現実的で怖くなりながら読み始めました。

登場人物が多いので私はちょっとひいてしまいました。

無力な日本政府の人間、韓国関係に強い新聞記者、占拠されたホテルに隣接した病院で働く医師、役所から出向してコリョのために働く女性など、ものすごい数の登場人物です。
その中には、この人がどういう役割を果たしていたのかわからなくなるようなものもたくさんあったけど、登場人物の中でかなり重要な役割にあたる、「イシハラ軍団」があまりにも非現実的でエキセントリックで、最後まで彼らの存在の意味があったので、他の登場人物はどうでもよくなりました。それにこのイシハラという変なおっさんが、「コリョは敵」とみなした時点でだいたいの筋書きが見えてきたからです。

占拠した北朝鮮組「高麗遠征軍」=「コリョ」と呼ばれています。

コリョの面々は、一般的に日本人が感じている北朝鮮の人そのもので、厳しい訓練を受けている軍人ばかりで、国の命令が一番で人を殺すことはなんとも思っていない人たちの集まりなのでした。
なので、コリョの話は過去の話も、今起きている話も全部怖いです。
こんな人が実際に日本にやってきたら、日本はあっという間にやられてしまうだろうと、精神的に非常にしんどい思いで読んでいるところもありました。
私は北朝鮮の人を見たことありませんが、14年前に初めて中国に行ったときの、なんともいえない社会主義の空気は今も忘れられません。怖かったです。
北朝鮮は中国の100倍ぐらいは怖いのではないでしょうか?


最後はこのイシハラ軍団が活躍してコリョをやっつけてしまうのですが、
その作戦実行→戦い→成功 までの話が一番おもしろかったかな?


読み始めの恐怖や日本に対する不安が最後まで消えることはなかったけど、
最後は気持ちよく読み終えることができたので良かったです。


最近 本を読んでいなかったので気づかなかったけど、
老眼がすすんでいる~
本を読んでいて、ふと時計を見るとぼやけて何も見えない。
テレビを見ていて、手元の本に目を戻すと、字がぜんぜんわからない。
つまり焦点をあわせるのに時間がかかるようになったってことです。
つらかったです。
ここで続けて本を読んだら、きっと歯が痛くなったり、肩こりしそうです。
Reading Glassesの世話にならないとあかんやろか?

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by Junpei642 | 2007-10-09 10:57 | Book Review | Comments(4)

”エリー Doing”  吉田まゆみ

ヴィンセント・ヴァン・パタンつながりでもう一本

昔、高校2年生の春休みにアメリカ(LA)へ遊びに行って、
その素晴らしさにカルチャーショックを受けた私は、日本での生活=現実を受け入れられず
しばしノイローゼ状態に陥っていた。

多感な時期に海外に行くと言うのは非常に危険だと思った。

さて、その頃、私は吉田まゆみ作の「エリーDoing」という少女漫画に出会った。
たぶん誰かが学校に持ってきていて、それを授業中に読んだというわけ。

漫画の中には、私がついさっき体験してきたLAが広がっており、あっという間にはまってしまったのだ。

あっちで見た高校生はまさにあんな感じだったし、
近所にあった学校もまったくああいう世界だったのだ。

ストーリーはエリという高校生が1年間、LAの学校に留学することになり、
同い年の女の子がいる家にホームステイします。
彼女がいけいけどんどんで、同級生の彼の家に週末お泊りしてしまうという奔放さ、
そしてエリは学校ではエリーと呼ばれ、勉強に恋に励みます。

ちょうどテニスが大人気の時代だったので、
デートする相手がまったくマッケンローの顔だったりして結構笑える。
彼とはうまくいかなかった。
そんな中 おばあちゃんが日本人というQuarterの男の子Vinceに出会う。
Vinceはヴィンセント・ヴァン・パタンそのままで、もちろんテニスもしているのだった。

毎日のようにヴィンスのおうちのプールで遊ぶ二人、アメリカへ行ったことがなければ、
プールのある家ってすごいと思うだろうけど、
はじめてLAの空港に降り立つとき、街中に広がる住宅街にはプールがいっぱいあって、
そこに太陽の光が反射してすごくきれいだったことを思い出したり、本当にアメリカを思い出すためにこの漫画は最高だったように記憶している。

Vinceとは心が通じ合っているというのに、なかなか恋が進展せずハラハラさせられるのだが、
帰国の一日前についに二人は結ばれる。

この話はその後という話につながっており、帰国後は1学年落としての再スタート、
そこへVinceがAETとしてやってくるのです。
エリーをねらっていた一つ年下のやんちゃな男の子は、Vinceがエリーの目にキスするのを見てショックを受ける。
この時、目にするキスがフレンチキスと書かれていたけど、フレンチキスって本当はディープキスなのに間違えてるやん。今は訂正されているのかしらん。

そういうわけで、日本にVinceがやってきて結局エリーとVinceは結婚するところまで話は続くのです。反対するエリーの親を説得するために、Vinceの母親が日本にやってくるシーンがとても良かった。
あと、Vinceとエリーの父親が銭湯へ行くシーンなども暖かかったな。

また読んでみたいこの作品、最初読んだのは友達の本だったけど、
その後自分でも全部買い揃えたはず。実家のどこかにあるかもしれない。

ああ読みたいな。


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by Junpei642 | 2007-08-13 12:00 | Book Review | Comments(2)

「姫君」  山田詠美

本を読んだ。

本当に久しぶりに…

ずっと前に買って、最初の2話ぐらいは読んであったこの本、
昨日も書いたけれど、この本に出てくる登場人物の発する言葉の意味がよくわからない。

漠然と感じ取ることができても、じゃあどういう意味なの?と聞かれても確かな言葉を並べることができないと思う。

最初のお話「MENU」は、幼い頃に母親を自殺でなくし、おじさんの家の子として育てられた時紀という青年のお話。
おじさんの家で実の子と分け隔てなく育てられた。
でも時紀は、こんな男は絶対にいやと思えるようなタイプなのだ。
特に彼と血のつながりのない妹とのやり取りがちんぷんかんぷんだ?
まだ兄と結婚をすることになる麻子とのやり取りのほうがずっとわかりやすい。
私って想像力無いんだろうな。

2話目の「検温」こそが、「わたくし 死を隠し持ってますのよ」とつぶやく、余命いくばくしかない老女が出てくるお話。死を隠し持った女性を男は絶対に捨てることができないんだって。

本のタイトル「姫君」が一番わかりやすかったかな?
非常に良い話だったし、す~っと読むことができた。

最後の話をのぞいて、セックスが非常に重要な意味合いを持っていると思う。
山田詠美のお話っていっぱい読んだわけではないけど、彼女の手にかかればセックスさえも抽象的に感じてしまう。

たぶん、私がすごく単純でわかりやすい恋しかしていないから、彼女の書く男女の複雑な心理状態がわからないってことなのかもしれない。

恋愛ってさ、一度 体の関係ができてしまうと、体が一つになった達成感とか、セックスによる快感などが混ざって、もっと相手のことをいとおしいと感じるようになると思うけど、体の関係ができる前の、お互い気持ちを確かめ合っている時期のほうが、よっぽど気持ち的には贅沢で、自分が恋しているという事実を楽しめるんじゃないかって思うのです。
プラトニックラヴ万歳!みたいなね。

こんなん思っているうちは、山田詠美の小説は理解できないってことでしょうか?

手元にある別の小説も再読してみようっと。

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by Junpei642 | 2007-08-05 16:17 | Book Review | Comments(4)

「あかんべえ」 宮部みゆき

宮部みゆきの小説はどれもおもしろい。
引き込まれてしまってあっという間に読んでしまう。

何冊も読んでみて気づいたこと、私は時代劇仕立ての小説が好きだということ。

「あかんべえ」も時代劇だ。
生死の境をさまよったことで「お化けさん」が見えるようになった12歳の少女おりんの物語。

両親が料理屋をはじめるために引っ越してきたお堀のそばの家には、
おりんにしか見えない5人の幽霊が住んでいた。
その幽霊と仲良くなるおりん、そして次々わかっていくその家と幽霊たちが持つ秘密…

「霊験おはつシリーズ」も霊能力を持った少女が活躍する話なので、
この著者の時代ものは霊能力をテーマにしたファンタジーが多いのかも。

宮部シリーズというと、たいてい登場人物が多くて非常にややこしいけど、
今回のも結構な登場人物が出てくる。
特にお化けさんたちのキャラがとっても素敵で引き込まれてしまった。
玄之介という若い侍が出てきて、いつもおりんの話相手になってくれるのだが、このキャラがとっても素敵で好きになってしまった。

料理屋で出す特別料理のメニューの描写も細かくて楽しいし、
日ごろから時代劇ばっかり見ている私にとって、テレビを見ているみたいに楽しめる1冊だった。

ただ、これからこの料理屋はどうなっていくの~
という欲求不満が残ったのは残念。


本のお話とは別に、「三途の川」の向こうは死んだ人の世界という宗教観
これはたぶん仏教の教えがもとになっているのだろうけど、
実際、生死の境をさまよった人が川原にたどりつき、そこを渡らなかったので戻ってこれたという話は時々聞く。臨死体験というものだ。
私の親戚のおじさんも大量吐血で病院に運ばれ死にかけたとき、川へ釣に行った夢を見た。
向こう岸か川の中だったか忘れたけれど、いつも釣に行くとき世話になっている親戚の家のおじさん、おばさん(故人)たちが「としみつ(おじの名)早くこっちへおいで~」と呼んでくれたらしい。
でも手前で釣をしたかったので、「ここで釣をするから~」と言って行かなかったんだって。
で、結局助かったわけだけど、似たような話はよく聞く。

でも欧米人の臨死体験には三途の川など登場せず、光につつまれたりするのが一般的らしい。

これって普通の生活の中で、死ぬときに通る場所について聞いているせいで、それが潜在意識として残り、生死をさまようとき頭の中に出てくるのかな?
何か理由あるのだろうか?

旅行に行く前日に飛行機に乗り遅れる夢を見たりするのと似ているのかな?

不思議だな。
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by Junpei642 | 2007-05-21 13:37 | Book Review | Comments(2)

「小さき者へ」 重松清

重松清さんの本を読むのはこれが初めて、読むきっかけとなったのは産経新聞で見つけた親子関係の、ぱっと読むと私小説のように感じる読みきりの小説だった。

この時感じた通り、この人の作品は親と子の関係、確執などがテーマになっており、
主に父親と子供の関係を掘り下げているものが多い。

「小さき者へ」はそういう親子関係をテーマにした短編を集めたもので、タイトルになっている小説は、登校拒否を始めて家に閉じこもり、家庭内暴力をふるう14歳の息子を持つ父親が、自分の14歳の頃を振り返りながらせっせと手紙を書いていて、その手紙が小説になっている。
手紙を書くきっかけになったのは、理解できないと思っていた息子がBeatles "Abby Road"を買ってきたことを妻から聞いて、Beatlesをかすがいに息子とわかりあえるのではとひらめいたことだ。自分も14歳のころBeatlesを聞きまくった経験があったからだ。
ただ、この手紙は渡す前の話なので、これから明るい結果に行き着くわけではない。
でも非常におもしろいお話にまとまっている。

私が一番好きなお話は「団旗はためくもとに」という元大学の応援団団長を父にもつ高校生(女の子)のお話だ。団長にとって一人娘はかわいくてかわいくてたまらない存在。
元団長ということで、少し外見もやくざっぽい父親のことを、困ると思いながらもとっても愛している娘。著者が男性なので女の子の父親を思う気持ちまでわからなかったようで、本当は父娘とはもう少し複雑かなと思いながら読んだけれど、高校を辞めて自分の道を進もうともがく娘を突き放しながらも、最後は応援する父親、父親の後輩がお金で困っているのを知った娘が、何か自分にもできることがあるのではと、大人びた言葉をはいたり、この辺りはとても現実的で、うちのだんなとうちの娘の関係にそっくりだったりする。

どのお話も、親がいて、子がいて、どうしても通り抜けなければならない関所みたいな日常を書いていて我が身にしみる内容だ。でもこの作品にめぐりあえて良かったと思う。
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by Junpei642 | 2007-04-10 22:20 | Book Review | Comments(2)


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


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