"Helter Skelter" (2004)

Helter Skelterというともちろんビートルズの末期に作られた、妙にやかましいでもかっこいい曲のタイトルである。
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そんな名前がタイトルになっている映画、土曜日にDからDVDを手渡されるまでは音楽関係の映画なのかと思っていた。
「どんな映画なん?ホラー?」
「Violent!」とD
「ああこれカルト集団のチャールズマンソンの映画だよね。」とMちゃん
この二人の言葉でだいたいの予想はついていたけれど、見始めると意外とよくできており3時間の長い映画だったけれど一度も飽く事なく最後まで見終えた。

映画は耳を切り落としたり、殺したりするシーンで唐突にはじまる。
そして、だんなに捨てられどん底状態のリンダが小さい娘を連れてマンソンファミリーにやってくる。
マンソンファミリーこそ、チャールズ・マンソンが作り上げたカルト集団で、フリーセックス、ドラッグ、泥棒などなんでもありいの奇妙な集団だった。

リンダはマンソンからかけられる言葉に心をうち、彼は私の心のうちをすべてわかってくれると涙する。
他のファミリーたちも、チャーリーの言うことはすべて正しいと信じており、「彼こそイエスさま」と大変あがめているのだ。
そんなマンソンは、売春婦の子どもとして父親もわからない状態で生まれ、非常にかわいそうな育ち方をする。そしてそれまでの人生の大半を壁の中でおくる。彼が出所してきたら時代はすっかり変わっており、フリーセックス、ドラッグ、ヒッピーの時代になっていた。
だから、ギターを弾き歌をうたい愛の言葉をささやき、外見はイエスさまみたいに髪を伸ばしひげをはやして若い信者の心を掴んでいった。
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この頃、チャーリーはBeach Boysのメンバー デニス・ウイルソンとも親交があり、彼をとおしてレコードを出すことも計画していたのだ。

彼がいつも叫ぶ言葉、それが"Helter skelter"だ。
ビートルズのこの曲を変に解釈してハルマゲドンを持ち出した。それにからめてRacialな発想を生み出し、黒人の仕業に見せるようにあちこちで犯罪を起こす。
そこで起きたのがかの有名なシャロンテート事件だ。実はここまで見てやっと、「ああシャロンテートを殺したやつらの映画なんだ。」ということに気づいた私はまったくの馬鹿。
シャロン・テートはロマン・ポランスキーの奥さんで女優。惨殺されたときおなかには子どもがいた。
他にも有名なヘアスタイリストなど全部で4人が殺されたのだ。

その後、別件で逮捕されたファミリーたち、そこから次々と事件が明るみになり、実行犯だったテックス・ワトソン、スーザン・アトキンスなど数名のメンバーが殺人罪で起訴される。
もちろん首謀者のチャーリーも罪に問われる。
いつも笑顔で事件の話をするスーザンが非常に不気味。
他にも不気味なシーンは数々ある。


この話、サリン事件にそっくりである。
直接犯罪に手を下さず、信者に大量殺戮を命じた麻原彰晃、みんなで同じ場所に住み、女性信者に変なことさせてたこと、教育をきちんとうけた賢い人もオウムの思想にやられてしまいマインドコントロールされまくったこと。

CULTと一言で片付けられないものが感じられる。
宗教とは怖いものだ。
宗教にまったく興味の無い私でさえ、実は10年ぐらい前に心のうちを読まれ涙したリンダと同じような経験をしたことがある。幸いすぐに目がさめて深みにははまらなかったけれど、心の中にある隙というか、暗闇の部分を刺激されると人間とは弱いものだ。
それに、そのような状況にどっぷりつかり、その中の常識がすべての常識と思い込んでいる人たちをたくさん見た。もちろん良い考えもあるので私も心動かされたわけだけれど、生活のすべてを思想に支配されたくないし、善悪の判断はいつでも自分で判断しないとね。

今でもチャールズ・マンソンのファンサイトがあるぐらいだから、世界中で微妙に支持されているのかも。
実行犯は皆死刑宣告を受けた。
マンソン自身もまだカリフォルニアで服役中だそうだ。たまたまカリフォルニアの死刑が廃止されたので今も生きているらしい。

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たまにはずっしり重いけれど見ごたえのある映画を見るのもいいな。
この作品、テレビ映画だけど、事件を担当した弁護士Vincent Bugliosiが書いた本に基づいているのでものすごくリアルだ。彼がファミリーのメンバーからいろんな話を聞いて、Helter Skelterとはなんなのかを考えていくところがおもしろい。

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by Junpei642 | 2008-05-19 12:14 | Movie Review | Comments(2)
Commented by teddy at 2008-05-19 12:54 x
チャールズマンソン「Lie」ってCD持ってるよ
Commented by Junpei642 at 2008-05-19 13:26
テディーくん 久しぶり~
あなたなんでも持っているのね。
感想はどうでしたか?


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


by Junpei64

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