「イギリスの教育」学校でやっていること ちょこっとややこしや~

昨日 寝る前に娘の部屋に洗濯物を持っていくと、今日提出しなければならないアートの宿題をベッドの上でやっていた。
「何やってるの?」とベッドに乗っかってのぞいてみると、いつになく機嫌の良い娘はいろいろとワークについて話はじめた。
ちょうど先週、ARTのFinal Examが終わったところで、一応彼女がFinal Pieceと呼ぶ最後の作品を仕上げたところで、その「最後の作品までどのようにたどりついたのか?」というのが彼女が夕べ仕上げようとしていた宿題だ。
テーマは"View Point"こんなにシンプルでわかりにくいテーマのもとに一つの作品を作っていかなければならないなんて、あまりにもあいまいで私ならどうしていいかわからなくなってしまいそう。
彼女は一点から見つめて見えるものを遠近感、Vanishing Pointなどを意識して、どのような感じになるかというのをつきつめていったらしい。それは説明を聞いたけれど感覚的に私にはあまりわからないことだった。
そして彼女の感覚を絵で表している、有名な画家の作品を集めていろんなアングルから見つめていくというのを何度も繰り返して、そして自分なりのConclusionを見つける。
そのconclusionにさからわないようにFinal Pieceを作らなければならない。
Final pieceは彼女が着目したポイントを含んでいるものでなければならない。それを含んでいる景色を家の近所で写真にとってきた。
手法は彼女が参考にしたプロの作品にある程度似せた、自分なりの作品にしなければならない。彼女が出会った手法については先生が説明してくれて、絵や説明文を使って説明して、彼女がなぜそこに影響されたのかなども書かなければならないのだ。最後に撮ってきた写真をフォトショップで自分の考えているようなタイプの絵に加工して、それを大きくプリントアウトして、Final pieceの土台となるものを作ったようだ。最後は絵の具を使ってそれを一つの作品に仕上げておしまい。色使い一つをとっても意味があるし、とても複雑でわかりにくい作品に仕上がっていた。絵を描くときの得手不得手もあるため、できるだけ自分の不得手を隠すことができるように注意が必要らしい。

イギリスのGCSE,ASレベルのアートでは、細かい技術を先生が教えるというタイプのアートではなく、テーマを決めてそれを作り上げていく為にさまざまな芸術作品に出会い、そこから自分なりに学んでいくタイプのようで、きれいな美しい絵を描く為の技術を身に付けるために何度も描いて練習するというようなことはあまり重要ではない。
しかし、時に技術が必要なこともあるけれど、あまり先生はそのことにこだわらない。
発想が自由、でも深く見つめ、深く考える、様様な角度から見つめる。このようなことを大切にする。自分が頭で描いているものに近い絵を見つけることは難しい。でもその時に先生の知識が役に立つ。生徒が頭で考えていることをきちんと理解して、参考になるアーティストの名前を教えたり、生徒の想像を表している手法を絵で見せたりする。
各自、想像していることが違うので出会う画家も手法もそれぞれ違ってくる。こんなに自由でいいのだろうか?と不思議に思えるやり方だ。

追記:上に絵を描くための技術はあまり大切ではないと書いたけれど、少し私が認識違いをしていたみたいなので書き足しておきます。
Final Examのワークに取り掛かるもっと前に、Kandinskyなどの抽象画を勉強して、自分なりに絵を描いて行くということをやったそうで、そこらへんにあるものを適当に並べてそれを元に絵を描いたそうです。その時にだいたい自分はどのような技法で行くかというのを決めながらやるそうです。そこでオイルペインティングを選んでその技法がわからない場合は、先生にどうやってやるかをアドバイスしてもらい、しばらくはその練習をしていくそうです。もちろんその時やったことの練習が宿題になります。
たいてい、自分の得意な手法をとるのでまったくどうやっていいのかわからないようなものは選ばないので、先生がアドバイスすることもそう多くはないようです。
ファイナルイグザム、コースワークどちらも、先生がどこまで口出しをしていいのかというガイドラインがあって、あまりアドバイスをすると感性が生徒のものでなくなってしまうので注意が必要だそうです。

アートなどは作品作りに時間を要するけれど、数学、英語、歴史などと違って難しく考えて膨大な文献を読み、自分の考えを長い文章にしていく必要は無いので簡単だと思って選ぶ生徒もいるらしい。
しかし、8ヶ月の授業時間のうち大半は自習に近く、放し飼いにされたうさぎだと娘は表現していた。中には帰ってこられないほど自由に遊んでしまううさぎもいる。
そうなったらどうしようもない。その途中で誰もうさぎを止めたりしないんだって。
自己管理が問われるということだろう。

娘はARTが大好きだけれど、このプレッシャーのもとで学ぶのはもう今期限りにしたいようだ。来年はもっと好きなことを集中して学びたいらしい。
最初はARTとグラフィックを中心にして将来を見つめていたけれど、やっぱり道を決めるのには若すぎるんだよね。今になって本当に合っているのかどうか悩んでいる。
それにすごく絵がうまいと言うわけではなく、上に書いたように技術を教えてもらえるのでは決してない。ひょっとしたらそれを学ぶのが大学かもしれない。日本の美大はまずデッサン力が問われるけどね。
今年アートとグラフィック以外にとった科目がとてもおもしろかったので、そちら方面での将来も考え始めたようだ。
イギリスの教育って何だろうな?技術的な科目なんだから技術を教えるのが当然と考えていたけれどそうではなかったんだ。
様様な作品と出会うこと、そして自分の頭で考えること。アートだけではなく、他の授業でも自分の考えていることをいかに効果的に文章にしていくか、そういうのにこだわっている科目は多い。日本のように大学受験を念頭に置いた覚えるだけの勉強法とは大きく異なる。でも脂汗が出るほど考えて考えてそれを自分の言葉や作品につなげていくという行為は人間を大きく深くするんじゃないかと思う。
昨日、私に最初から終わりまで説明したおかげで、抜けていた大事なポイントがいくつか見えてきたようで、トイレに行く前に私に「ありがとう」と言ってくれた。
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今日はテレサ・テン没後10年だそうだ。
中国人にとってテレサはものすごく偉大な人だったようで、
10年前の今日、チェスの香港代表をしていた友人がものすごい興奮して、彼女の死を教えてくれた。最初は誰なのかわからなくて、漢字を見てもピンとこない。結局ラジオをつけたら彼女の歌が何度もながれていて、その一つからテレサだと知った。
日本語で歌われた歌にも名曲がいっぱいあるけれど、
私は甜蜜蜜が好きだなあ。
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by junpei642 | 2005-05-09 00:36 | Education | Comments(0)


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、Rock'n'Rollをこやしに生きています。若返りのマジックワードを心に今日も頑張る~~


by Junpei64

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