"Never Let Me Go" Kazuo Ishiguro

読了するのにすごく時間がかかってしまった。
読み応えのある作品でした。

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映画化されてもうすぐ公開されるということなので、内容に触れるのはちょっと控えたいと思います。

冒頭で語られるKathyという31歳の女性の仕事の背景や、その中で使われている不気味な単語の意味がわからず、もやの中にいる状態で彼女が語る、彼女が過ごしたHailshamというボーディングスクールの話を淡々と読み進めていきました。

本当にその謎めいた言葉の羅列、辞書で調べても自分が知っているその意味でしかないということ、
それがその意味ならここに出てくる人間たちはつまり...
読んでいくうちに想像力がだんだん高まり、フォーカスがあってくる。
その頃、それがはっきりと理解できるように話が大きく旋回するという感じでした。

出てくるのはその語り手Kathyと彼女の親友RuthとTommy
このTommyという少年がかなりおもしろく描かれていて、前半は彼を中心としたエピソードや心の動きが多い。
翻訳版の表紙にもなっているカセットテープのエピソードは二つとも非常に印象的だった。
後半のエピソード後、普通のラブストーリーになっていくのかと思いきや、そうは問屋が卸さない展開におちていくのです。
その変化がおもしろかったかな?
最後はそのエピソード一つ一つがつながっていくところが美しかった。

しかし、その美しい文章のベースにあるのは実に戦慄物の怖さで、その怖さを裏付けることがいつもあいまいな書き方しかされていないので、こっちで勝手に想像力が高まりよけいに気持ち悪く感じてしまう。
良い小説だけど何か気持ち悪さが残る、奇妙だと思った点がぬぐいきれない。
それは現実的に考えると、なぜそこに留まらなければならないのか?という疑問がわいてくるからだ。
まさに"Never Let Me Go" うまいですよね。

香港でこの映画が封切られるかどうかはわからないけど、
もし来たら見に行くかな?
それとも原作を読んでしまったから、イメージは自分のものだけでとどめておくべきか、悩みますね。

翻訳版ではTommyの話し方が古めかしくて気になったという事だったけど、
私にとってTommyの話し方はいつまでもちょっと幼さが残るイメージでした。

PS.今 映画のトレーラーを見たら思いっきり泣いてしまった。小説の中であいまいな部分が映画でははっきりと表現されているみたい。これは見に行ったほうがいいかも。もちろん映画の内容は小説に忠実ではないということも一目でわかったけどね。

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by Junpei642 | 2011-02-22 10:49 | Book Review | Comments(12)
Commented by hoisam at 2011-02-22 13:15 x
今日は春らしい暖かさです、Junpeiさんこんにちは。
人は 宿命と運命があって、自分の意志とかで変更がきくと言うけれど。この小説の中・・・生まれる前から人によって決定されてしまう、少し気持ちの悪い、居心地の悪さがあります。だたの寄宿舎じゃないし。 香港は来月公開ですね。アメリカでは去年一部地域で公開してたので、DVD待ってたけれど、日本も公開が先かな? 
以前は読んでから観るか?観てから読む、をしてましたが、読むペースがガクンと落ちてきて 物足りないなぁと思ってます。
クラプトンのライブ、すごい もうあまり見れないかもですよね。
Junpeiさんのライブの行き帰りのお話も面白くって・・・私は来月NHKホールに行くのですが、神席!! びびってます。

Commented by bravo1212 at 2011-02-22 18:00
まだ日本では映画宣伝してないと思うけど、どうなんかな?
なんか、ちょっと複雑そうな内容みたいですね。
最近、映画見てないな~。
おもしろそうなら、私も見にいこっと。
Commented by hongkongpeu at 2011-02-22 20:00
来月公開予定の映画ですね
先月だったか著者の方が来日してました
ニュースで見て「なんで日本人が来日?なんで名前がカタカナ?」と思い調べたので覚えています
イギリスに帰化されてるんですよね
最近活字離れして本を読んでいません
一度読み始めると次から次へと止まらないんですけどね(笑)
Commented at 2011-02-22 21:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by gloria-x at 2011-02-23 21:13
Junpeiさん、読了されたんですね!
わたしも再読しようと思って購入しました。

>翻訳版ではTommyの話し方が古めかしくて気になった

そうなんです!それで感情移入しにくいのが唯一残念でした。
英語で読めたらいいなぁ~
ともあれ、じわじわ、ひたひたと沁みてくる作品でしたね。
映画も早く観たいです。
Commented by Junpei642 at 2011-02-23 23:13
hoisamさん
この映画見られたんですね。たぶん小説よりわかりやすくできていると思うけど、そうなるとある意味SFみたいにも取れると思う。
小説は文学とSFのちょうどきわどいところで踏みとどまった感があって、ひょっとしてそれがIshiguroの力なのかなあと思います。
私も老眼がすすんで本を読むのがちょっと苦痛なんですよね。
だからこの本は頑張ったほうですよ。
クラプトン、日本公演なかったんですよね。意外でした。
まあ、日本では手抜きできないのでその方が老体にはいいんでしょうね。来月のNHKホールは神席ってなんですか?
ひょっとしてKポップ?
Commented by Junpei642 at 2011-02-23 23:15
ブラボーさん
日本でももうすぐだと思いますが、この映画は特殊な映画だと思います。でも出てる若い俳優たちは力のある子たちが出ているんですよね。
楽しんで見る映画ではないのですがもし良かったら見てください。
Commented by Junpei642 at 2011-02-23 23:15
hoisamさん
わかりました。私もちょっとチェックして見ます。
ありがとう
Commented by Junpei642 at 2011-02-23 23:17
peuさん
そうそう、この映画の公開で著者が来日していたみたいですね。
5歳ぐらいでイギリスに渡り、その後はイギリスで育ったみたいです。
他にもたくさん有名な作品あるんですよ。
映画化もされています。
翻訳版も出ているので読んでみてください。
Commented by Junpei642 at 2011-02-23 23:19
gloriaさん
ついに読み終えました。
Tommyは前半、かなり問題児な扱われ方で、彼の話し方は決して古めかしくはないと思います。ちょっと幼い感じですかね?
でも本当はいろんなことをよく読みとっている人なんですよね。
本質が見えてくる、じわじわしてくる感じわかります。
怖かったです。
でも良い作品でした。
映画も楽しみですね。
Commented by hoisam at 2011-02-24 23:12 x
こんばんは。これは読んでから観た方が良かったかな?
派手なアクションや演技で見せる映画ではないので、本を読むように映画を見ました。難しかったです、ちょっと怖かったし。
(臓器を取り出すシーン、取り出したそれも 人間も物みたい)
日本人の原作とは思えないような、他の作品 今度は本を読んでみたいです。
公演はKPOPイベントかな。チケット取れない人も結構いて、友人も3階が多く。私は昼・夜 両方行くけれどどちらもP席。 まさに『神席』 肉眼で見れる良席です。 やっぱり音楽に生で触れるのって幸せ。
Commented by Junpei642 at 2011-02-25 10:01 x
hoisamさん
映画はトレーラーからもわかりましたが、ちょっとホラーな感じに作られていたように思います。でも小説はそんなことないです。
だからなかなか本質が見えてこなかったんです。
イベントはKPOPなんですね。それもすごく良い席みたいでいいですね。やっぱりライブはかぶりつきで見るのが一番です。
楽しんで来て下さい。


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


by Junpei64

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