すごい!と思った日本文学 「氷壁」 井上靖

誰かからいただいた 井上靖の「氷壁」 
もらいものでなければ手に取ることもなかったであろう井上靖

しかし、読み始めてたったの数ページでもうお話に引き込まれてしまった。
登山家であり普通のサラリーマンである魚津、そしてその友 小坂

山から東京へ帰ってきたばかりの魚津は、その山友達小坂が近くの店にいるといわれ
さっそく会いに行く、そこで美那子と言う和服美人に会う。
小坂はこの女性と会っていたのであった。

小坂と別れたあと、魚津は美那子に呼び止められ相談を受けるところからこのお話がはじまる。

実は、美那子は大正14年生まれの女性で、明治生まれの年の離れた堅物の学者みたいな人と結婚している。そこで現実に引き戻されるわけです。
だって大正生まれの女性が若くて妖艶な感じで描かれているというのが、
なかなか小説上のこととはいえ想像できないのでした。なぜならうちの義母と同じぐらいの年齢だからね。

美那子と小坂は一度だけ関係を持ってしまった不倫関係にあり、小坂は美那子が自分を愛していると信じていて、彼女を手に入れようとしている。
それを人妻という立場でうとましく感じていた美那子は、関係をやめるために魚津に相談をする。

魚津も小坂にあきらめるように説得する。
そして2人はいつものようにお正月前に雪山に上ることになって長野に出かける。二人が岩壁をのぼっているときに小坂のザイル(ロープ)が切れて転落してしまうのだ。
切れないはずのナイロンザイルが切れた!
それがこの小説の重要なポイントだ。


時代は昭和30年ごろ、戦争が終わってからまだ10年しかたっておらず、私が生まれるずいぶん前のお話だ。しかし読み進めていくにつれて、時代は関係なく現代の小説と思ってもなんらおかしくないぐらい、
話は詳細で、緻密、何の落ち度もないおもしろさでした。

ただ、そこに絡んでくる男女関係というのは、セリフなどのせいで非常に古めかしく感じるわけだけど、
ちょっとした心の動き、それぞれの相手への思い、そういう細かい点はぜんぜん古くなくて共感できるところがいっぱいあったのでした。
それが私にとっては非常に驚きでした。有名な作家だと知っているけど、こんなすごい文章が書けるなんて、さすがに時代に名前を残す有名作家だなと思いました。

たまには古い小説をじっくり読むのもいいものだと、しみじみと思いました。

今 調べてみたら 何度もドラマ化、映画化されていたのですね。
見たことないけど、最近のは現代劇にアレンジされているとはいえ、玉木宏と山本太郎でドラマ化されていたなんて興味深いです。

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by Junpei642 | 2010-07-01 15:08 | Book Review | Comments(8)
Commented by 遊びの達人 at 2010-07-01 17:56 x
「あいつが切れたと言ったら切れたんだ!」

魚津の上司の言葉です。

魚津への揺るぎ無い信頼です!


自分も数え切れない位に読み返しましたよ!
Commented by Junpei642 at 2010-07-01 19:08
達人さん
この小説 名セリフがいくつもありますよね。
一つ一つの言葉の選び方が逸品です。
そしてこの上司 常盤の存在がこの物語をひきしめていますよね。
Commented by bravo1212 at 2010-07-01 19:20
読んだことないし、ドラマも見たことがないです。
ジュンペイさんの説明、達人さんの何度も読み返したという
コメントを見て絶対読みたくなりました。

告白も(前 告発と書いたかもしれません。間違いです。ごめん)
友達が貸してくれることになりました。

最近はメガネかけないと 読みにくいからついつい
本から遠ざかってました。
でも、面白い物は面白いですよね。

Commented by hongkongpeu at 2010-07-01 21:23
見てはいませんが「あぁ聞いた事ある」程度の知識です
気付いたら終わってたような・・・
NHKのドラマってつい見逃しちゃうんですよね
Commented by Junpei642 at 2010-07-02 09:42 x
ブラボーさん
香港どうですか?
今日も暑いですね。

私も映画もドラマも観たことがないのですが、
是非見て見たいです。
告白は重そうな内容ですね。

めがねは10ドルショップのでっかいめがねがよく見えて、
何の問題もなく本を読めるようになりました。
Commented by Junpei642 at 2010-07-02 09:43 x
peuさん
そうそう、聞いたことあるって感じですよね。
NHKのドラマは私も日本にいるころはぜんぜん見ませんでした。
大河ドラマぐらいかな?
あと6時からやっていた子供向けのものはよく見ていましたが...
Commented by izutamaaru at 2010-07-02 12:45
20台のころ読んだことあります。
どんな風に感じたかまでは覚えてないけど、面白かった記憶がありますね。
読み返したくなりました。
ブックオフ行かなきゃ。
Commented by Junpei642 at 2010-07-02 22:26
izuやん
元気?お久しぶり~~
そうですね。20代に読むのがいいかも。
とってもおもしろいです。
是非読んでみてください。


香港...出会いと別れが頻繁におとずれるtransitoryな街で、日本語を教えながら暮らしています。現在Kissing Fishというインディーバンドでベースを弾いております。ベースだけじゃなくてギター弾いて歌ったり、ドラムもたまにたたいたり、音楽とミュージシャンにかこまれ心豊かな日々を生きるパワフルおばちゃん!


by Junpei64

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